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水の通う回路 [松岡圭祐]

角川文庫から刊行されてすぐに購入した「水の通う回路」。
私の中では今最も好きな作家の1人、松岡圭祐先生の作品です。
この作品の文庫版は最初、「バグ」というタイトルで徳間文庫から刊行され、その後大幅な改稿を加えて、「バリア・セグメント 水の通う回路 完全版」として小学館文庫から刊行されました。
そして、松岡圭祐先生の作品が全て小学館文庫から角川文庫に移籍され、小学館文庫版は随時絶版になっていきました。
その後、「千里眼」クラシックシリーズが完結した後の2009年9月に、上下巻に分かれて角川文庫から刊行されました。

「水の通う回路」は、タイトルからは全く内容が想像出来ませんが、あるゲーム会社で発売されたゲームソフトを巡って起きた事件と、その謎から更なる事件が展開していくという感じのストーリーです。
「黒いコートの男が殺しに来る」と口を揃えて言っていた子供が自らの腹をナイフで刺したり、いろいろな事件を起こしていきます。
被害者に共通するのは、ある人気ゲームを事件前にプレイしていたこと。
これをきっかけにゲーム会社の社長や社員、そして周りの人物が謎に巻き込まれていきます。

上下巻ともに300ページ弱と読みやすいサイズ。
上巻は「???」の方が多かったのですが、ストーリーが進み、更に下巻に入っていくとどんどんスピード感が増してのめりこんでいきました。
この作品はデビュー作「催眠」の直後に刊行されていますが、最初に単行本で刊行されたのは1998年ですが、古さを全く感じさせず、今読んでも全く違和感がなくて面白かったです。


松岡圭祐先生といえば、「千里眼」シリーズの印象が強烈で、現在は新シリーズ「万能鑑定士Qの事件簿」も次々に刊行されて定着してきています。
ただ、他の作品も面白いものばかりですね。
今後どのような作品を出していくのか想像もつきませんが、どんどん新しい作品を書いていって頂きたいと思っています。




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