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旧シリーズ 千里眼 洗脳試験 [松岡圭祐]

松岡圭祐先生の千里眼の旧シリーズ第4弾にあたる「千里眼 洗脳試験」。
2002年1月、9.11アメリカ同時多発テロのすぐ後に刊行された作品です。

東京・奥多摩山中に忽然と出現した白亜の六角形の建造物。
所有者は、主催も目的も不明な謎の自己啓発セミナー、デーヴァ瞑想チーム。
岬美由紀はそこに4000人もの人質が捕らわれ、爆弾テロに脅かされていることに気づく。
その中核には、日本を震感させたカルト教団教祖のあの女の存在があった...

クラシックシリーズ第4弾の解説で語られているように、この作品は子供向けパロディにシフトしたかのような軽妙な展開と漫画チックな楽屋落ちに埋め尽くされている。
「怪作」とまで揶揄されています。
クライマックスで友里佐知子が不自然に改心する部分も評価を下げたと言われているようです。

私は内容はどうであれ、「千里眼」シリーズを全て知りたいと思ったのと、クラシックシリーズにはない内容ということで、旧シリーズを購入するきっかけの作品だったので、あまりそのあたりは気になりませんでしたね。
過去の「千里眼」も「千里眼」には違いないと思いましたし。
旧シリーズは一度しか読んでいませんが、まあまあ面白かったような記憶があります。
1つのストーリーとしてはこういったものもありなんじゃないかなと。

「千里眼 洗脳試験」はまだネット書店で購入出来るところもあるみたいですね。
クラシックシリーズが刊行されているので、旧シリーズにまで手を出す人は少ないんでしょうか。
随時絶版ということですが、人気があるので売れる限り絶版にはしないということですか。
まあ、これだけ購入出来ても仕方がないのですが...


SennoShiken.jpg

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阪急電車 [有川浩]

なんだか久しぶりです。
仕事で精神的にちょっときつい事があって、ブログのことを考えられなくなってました。
連休に入ったことで少し回復。
ブログ再開です。


以前から気にはなっていたのですが、映画化によりCMを頻繁に見るようになって読んでみようと思った「阪急電車」。
有川浩(アリカワヒロ)先生の作品です。
漢字の名前だけで勘違いしていたのですが、女性だったんですね。
2004年にライトノベル作家としてデビューし、自衛隊三部作やアニメ化もされた図書館戦争シリーズ、そして最近では昨年TVドラマ化された「フリーター、家を買う。」もこの人の作品です。

片道わずか15分のローカル線で起きる小さな奇跡。
乗り合わせただけの乗客の人生が少しずつ交差し、やがて希望の物語が紡がれる。

阪急電車の中で宝塚駅と西宮北口駅を結ぶ今津線。
各駅毎に乗り降りする乗客が、物語の中で少しずつ関わりを持ちながら物語が進んでいきます。
8つの駅名が付いた短い物語。
往復で16篇。
何気ない日常、どこでも出会いそうな乗客たち。
でも皆それぞれ人生があり、想いがあり、そして物語があります。

ちょっとほっこりする物語。
こういった作品はこれまであまり読んだことがなかったので、かなり新鮮でした。
裏表紙に書いてあるような「胸キュン」はさすがになかったですが、読後感はすごく良かったです。
もう一度読み直してみてもいいかなと思いました。

映画は、関西では先週から公開されていて、今週から全国で公開されます。
演じるのは中谷美紀や戸田恵梨香などなど。
CMで少しだけ映像で観ましたが、なんだか映画もすごく観たいと思いました。




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プラ・バロック [結城充考]

Wikipediaの小説家一覧から辿った時に見つけた作家、結城充考先生。
この時はまだ単行本しか刊行されていませんでしたが、先日ついに文庫化され即購入したのが「プラ・バロック」です。
デビューは2005年で、作品もあまり多く刊行されていません。

「プラ・バロック」は2008年に第12回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞した作品。
この作品の登場人物の名前は、日本人でも全てカタカナで表記されているという特徴があります。
一見外国が舞台のように錯覚しますが、Wikipediaによれば、もともとSF作品として構想していたアイデアを、現代に舞台を移して再構成したためにこのような形になったようです。

雨の降りしきる港湾地区。
埋め立て地に置かれた冷凍コンテナから十四人の男女の凍死体が発見された!
睡眠薬を飲んでの集団自殺と判明するが、これは始まりに過ぎなかった。
機動捜査隊に所属する女性刑事クロハは、この異様な事件を捜査する中で、想像を絶する悪意を感じていくことになる。

もともと警察小説好きですが、この作品は通常の事件に、アバターでコミュニケーションを行うバーチャルな世界も絡めていて、他のものと違った面白さがありましたね。
読後感もなかなか良かったです。
続編の「エコイック・メモリ」も是非読んでみたいと思いました。
まだ単行本でしか刊行されておらず、文庫化されるのが待ち遠しいですね。
現在はこの2冊しか刊行されていませんが、息の長いシリーズにして欲しいと願っています。




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反関ケ原 [工藤章興]

1993年から新書で刊行され、2000年から文庫化された「反関ケ原」。
仮想戦記ものを多く執筆している工藤章興先生の作品です。
この作品は全5巻で、石田三成が主人公となっています。

時は戦国、関ヶ原の戦い。
歴史では小早川、島津など多くの武将の裏切りにより敗北した石田三成率いる西軍。
この作品では参謀・島左近の必勝の深謀により、小早川・島津・毛利が次々に東軍の徳川家康軍に襲いかかります。
この戦いで東軍が敗れ、敗走した家康。
石田三成は家康を完全に打ち破るために戦いを続けていきます。

大軍を擁しながらも裏切りにより敗北した石田三成。
もし裏切りがなかったらその後の歴史は大きく変わっていたかもしれない。
今の時代も確実に違っていた。
そう思うと、こういった歴史シミュレーション小説は想像力をかきたてますね。

この作品も好きな作品の1つです。
特に誤解を解いた石田三成と福島正則・加藤清正との和解のシーンなどは良かったですね。
最後はちょっと物足りない終わり方でしたが、全体的には面白かったです。

こういった仮想戦記を書く作家に共通しているのですが、最近の作品は短い作品が多いですね。
壮大な戦国時代なのでいくらでも広げることができるのに。
もうこういった何巻にも渡る長編は出ないんでしょうかね~。
非常に残念な感じです。


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はしれ走(かける) [コミック]

サッカー漫画、「はしれ走(かける)」

みやたけし先生の作品で、1980年半ばくらいに書かれた作品です。
Wikipediaで見て知ったのですが、「キャプテン翼」の高橋陽一先生がアシスタントだったんですね。
サッカー繋がりで「キャプテン翼」が生まれたんでしょうか。

主人公はサッカーが大好きな小学生、山下走(かける)。
サッカー部がなかった小学校で仲間を集めて、草野球ならぬ草サッカーを始めた走(かける)。
チームの名前は「ウンたまズ」。
ボールが大好きな運動音痴から名付けられました。
サッカーを通じて、仲間、ライバルとの出会い、闘いを描いています。

個人的にはこんな感じの画風は大好きなので昔々にハマりましたね。
数年前にオークションで再び手に入れたのですが、捨てずに所有しています。
「キャプテン翼」のような正統派というか、熱血風では全くなくて、ほとんどギャグ。
読みながら思わず笑ってしまうような感じです。
主人公、山下走(かける)のウンたまぶりが特に面白いですね。


HashireKakeru.jpg

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